災害に備える水道
阪神淡路大震災以来、東日本大震災をはじめ大規模地震が多く発生しています。風水害も毎年のように各地で発生しており、これら災害はいつ起きてもおかしくない状況にあります。また災害のみならず、老朽化した水道管の破損事故やテロ、他国の軍事活動の脅威なども考えられます。
丹羽広域事務組合では、水道施設の耐震化や応急給水体制を整備・推進するとともに、大規模な災害が発生した場合でも迅速かつ適切に対応し、被害を最小限に留め、万が一被災した場合にも被災生活が少しでも和らげることができるよう努力していきます。
応急給水
応急給水の目標
丹羽広域事務組合では災害発生時の応急給水目標を設定しています。
期間 | 目標水量 | 住民の運搬距離 | 主な給水方法 |
発災~3日 | 3ℓ/人・日 | 概ね1㎞ | 仮設給水タンク、給水袋、給水車 |
4日~10日 | 20ℓ/人・日 | 概ね200m以内 | 配水幹線からの仮設給水栓 |
11日~21日 | 100ℓ/人・日 | 概ね100m以内 | 配水幹線等からの仮設給水栓 |
22日~28日 | 250ℓ/人・日 (被災前給水量) | 概ね10m以内 | 仮設配管からの各給水供用栓 |
給水拠点
町の「指定避難所」を給水拠点としていますが、被害状況や応援受入状況等によって、大口町・扶桑町との協議のうえ適宜見直しをします。
大口町
指定避難所 | 収容 人数 | 1日当たり給水量 (ℓ/人・日) |
大口南小学校 | 250人 | 750ℓ |
大口北小学校 | 440人 | 1,320ℓ |
大口西小学校 | 184人 | 560ℓ |
大口中学校 | 390人 | 1,170ℓ |
大口北保育園 | 98人 | 300ℓ |
健康文化センター | 85人 | 260ℓ |
中央公民館 | 294人 | 890ℓ |
大口北防災センター | 264人 | 800ℓ |
さつきケ丘防災センター | 60人 | 180ℓ |
町民会館 | 120人 | 360ℓ |
扶桑町
指定避難所 | 収容 人数 | 1日当たり給水量 (ℓ/人・日) |
柏森小学校 | 329人 | 990ℓ |
高雄小学校 | 372人 | 1,120ℓ |
山名小学校 | 255人 | 770ℓ |
扶桑東小学校 | 333人 | 1,000ℓ |
高雄学習等供用施設 | 95人 | 290ℓ |
扶桑東学習等供用施設 | 128人 | 390ℓ |
高雄西学習等供用施設 | 56人 | 170ℓ |
山名学習等供用施設 | 66人 | 200ℓ |
山名西学習等供用施設 | 114人 | 350ℓ |
斎藤学習等供用施設 | 108人 | 330ℓ |
柏森学習等供用施設 | 95人 | 290ℓ |
柏森中央学習等供用施設 | 87人 | 270ℓ |
扶桑町総合体育館 | 600人 | 1,800ℓ |
応急給水体制
災害時給水ステーション
災害時等に、住民の方々が直接設置場所へ出向き、応急給水栓から飲料水を確保することができる施設です。被害状況等に応じて開設します。
設置場所
- 扶桑北部配水場 (山名西学習等供用施設西側)
- 丹羽高等学校
- 扶桑北中学校
- 扶桑町中央公民館
- 大口町民会館
- 大口西小学校
令和6年3月末現在で6箇所に設置しています。令和20年度までに大口町で11箇所、扶桑町で10箇所設置する予定です。
お願い
水を受け取る際には、水を入れる容器が必要です。
持ち運びが容易な容器(ペットボトル、ポリ容器など)の持参をお願いします。
給水車、給水タンク
①加圧式給水車(2,000ℓ)
応急給水体制のため、令和4年11月に加圧式給水車を導入しました。
圧力をかけた給水ができるため、公共施設や病院など給水拠点となる施設の受水槽への補給など様々な状況で柔軟な給水が可能となりました。
②無加圧式給水車(1,500ℓ)
③給水タンク(300ℓ)
災害時用設備
①耐震性貯水槽
災害時に飲料水を確保するための地下にある耐震性の貯水槽です。
配水管の途中に設置され、水槽内は水道水が常に循環しています。地震発生時には、飲料水が貯水槽に残る構造となっています。
手動式ポンプや自吸式ポンプにより給水します。
設置場所 | 水槽容量 |
大口町中央公民館 | 60㎥ |
大口中学校 | 100㎥ |
扶桑町役場 | 100㎥ |
山名小学校 | 100㎥ |
柏森小学校 | 100㎥ |
②県水応急給水支援設備
県営水道(愛知県企業庁)の水道管に設置された空気弁を町野式給水栓に取替え、給水車に直接飲料水を補給し、避難所や医療施設等に応急給水活動を行います。
③緊急時給水車用給水栓
④緊急用エンジンポンプ
他団体との支援連絡
①他団体との支援連絡管
県営水道や江南市水道事業と丹羽広域事務組合の水道管が接続されており、災害時等に相互に給水ができます。
・県水支援連絡管 ~ 1箇所(愛知県企業庁)
・災害時緊急連絡管 ~ 3箇所(江南市水道事業)
県水支援連絡管
災害時緊急連絡管
②水道関係団体による相互の応援
日本水道協会など水道関係の団体と災害協定を締結しているため、災害時等には応急給水や災害復旧などの相互応援ができる体制が整っています。
訓練
危機管理対応訓練等
危機管理対応訓練を行い、災害発生時に職員が適切に対応できるよう訓練を行っています。
①危機管理対応訓練
配水施設からの給水訓練
災害時給水ステーション設営訓練
応急給水支援設備からの給水訓練
②その他の訓練
●日本水道協会中部地方支部合同防災訓練 | ●日本水道協会中部地方支部情報伝達訓練 |
●愛知県水道震災復旧支援センター運用訓練 | ●大口町、扶桑町防災訓練 |
●各地区の自主防災会等との防災訓練 |
ご家庭での災害対策
災害への備え
地震だけでなく、台風や大雨による風水害などの災害は、もはやいつどこで起きてもおかしくない状況です。丹羽広域事務組合ではこれら災害に備え、もし災害が発生し大規模断水などの水道事故が起きてしまった場合に、1日でも早く水の供給を再開できるよう今後も準備を進めていきます。
しかし、災害発生初期は他の事業体からの応援が間に合わず、人員や資機材の不足により地域のみなさまが必要とする水を一人一人に十分にお届けできない状況となることは明らかです。
丹羽広域事務組合では、災害時の備えのため、日頃からご家庭ごとに飲料水や生活水を備蓄していただくことを推奨します。
飲料水の確保 1人1日 3リットル 3日分
災害時には、1人1日あたり3ℓの水が必要とされています。飲料水の確保をお願いします。
雨水の有効利用
雨水を貯水タンクなどに貯めておけば、水洗トイレなどに使用することができます。貯めた雨水をバケツに入れ便器に流せば排水することができます。
給水用容器の準備
避難所での給水活動時は給水用の容器が必要です。丹羽広域事務組合では給水用バッグを備蓄していますが、数に限りがあり十分ではありません。